なんとか第2弾。目標はその3までなので、あと1回。
木原善彦『UFOとポストモダン』平凡社新書、2006年。
そんなに新しい本でもないが、別の本で紹介されていて興味をひかれたので手に取る。
私の父は以前(おそらく今も)UFO好きで、学研の『ムー』などが家にあったりした。
木原氏の本は、父のような人の興味を満足させるものではなく、あくまで「空飛ぶ円盤や異星人について社会の中でどういうことが言われ、信じられてきたかを、歴史的変遷に沿って文化的側面から考察する」(8ページ)ものです。
木原氏が「UFO神話」(18ページ)と呼ぶこの手の「トンデモ話(「噂」と言っても、「都市伝説」と言っても良いでしょう)」が、人々のどのような意識の変容とリンクし、社会における共通認識とどのように対応していたのか、分り易く解説されていて面白い。僕たちが何らかの「お話」を受け入れるには、それを受け入れられるだけでの意識の変化が必要、という、普段は見えづらいところ(歴史のテーマとして「うわさ」を取り上げるのは、決して珍しいことではないのだけれど)を指摘してくれている。
途中、分析の一手段として現代思想の話が出てくる(シミュラークルがどーの、「大文字の他者」がどーの、など)が、ざっと解説もしてくれているので、読み進める上ではそこまで障害はない。分らない場合はすっ飛ばせばよい。
著者はもともとはアメリカ文学研究の人。
京都で学生をやっていた時に、フランス文学研究者が集中講義に来て、フランスの近代における女性に対するまなざしに関する講義をしてくれた(小倉孝誠『<女らしさ>はどう作られたのか』法蔵館、1999年)。
木原氏の「UFO神話大衆文化史」もそうだが、日本では、文学出身者から興味深い「文化史」「社会史」の仕事が出ている気がする。歴史学から見れば突っ込むところもあるが、史料選択の幅を考慮する上では他山の石となるべき良作に思える。
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